■ネビュラボール実験室
ネビュラボール(板倉研究室販売,8インチ,1,9800円のもの)を入手して,ひとりでたのしむのはもったいない気がしたので,札幌仮説サークル(98/9/12)でみんなで予想してもらいながらいろいろとたのしんでみました。板倉先生がやったであろうことの追試がほとんどです。(9/13)
ネビュラボールの磁場をアルミホイルで遮断できることなどについて追加訂正しました。(9/27)
ネオン管で実験してみました。(10/12)
◎検電ドライバーで
ネビュラボールから30センチぐらい離れても検電ドライバーのネオンランプは点灯します。電場が形成されているのがわかります。蛍検電ドライバー(【もの】ページ参照)を使うと,さらによくわかります。
◎アルミホイルで遮断できるか
検電ドライバーとネビュラボールの間にアルミホイルをおいたらどうなるでしょうか。金属は電場をさえぎるように思えますが・・・。
やってみると,検電器は見事に反応しなくなりました。
◎金属製のざるではどうか
今度は編み目の間隔が2ミリほどのステンレスざるを間に入れてみます。
これも見事に電場をさえぎります。
◎半透明の銀色のビニール(マジックミラー)ではどうか
ポテトチップスの袋のようなものではどうでしょうか。これは金属が蒸着されています。
これも見事に電場をさえぎるのがわかります。
◎蛍光管はつくか
電子レンジの中でマイクロ波をあびて蛍光管は光ります。では,ネビュラボールでは?
ネビュラボールにかなり近づけると,蛍光管は光り出しました。そんなに明るくはありません。おもしろいことに,蛍光管の一部をアルミホイルで被うと,その部分だけが光らなくなります。つまり,蛍光管が光る理由は,両端のフィラメントにあるのではなく,蛍光管の中の水銀蒸気に直接電場が作用しているようです。
なおネビュラボールに蛍光管を近づけて発光させるのは,早稲田大学の大槻教授がテレビ番組で演じていたことがあります。
◎白熱電球はどうか
それなら白熱電球はどうでしょうか。電子レンジでは,蛍光管と同じように明るく輝きます。
これはやってみても,フィラメントが光っているようには見えませんでした。ワット数を変えたり,透明な電球でやってみても同じでした。
◎グローランプではどうか
電子レンジでは,きれいに紫色に光ります。
ネビュラボールに接触するほど近づけると,グローランプの中でかすかに紫色に光っているのが見えました。
◎ネオン管ではどうか
検電ドライバーの内部のネオンランプが点灯するので,ネオンランプ自体でも点灯するように思えます。やってみると,たしかに点灯します。
◎手は導体か?
ネビュラボールと検電器や蛍光管の間に手を入れて動かすと,検電器や蛍光管が手の動きに合わせて点滅します。手の動きが電場になんらかの影響を与えているようです。
Trifieldmeter(磁場・電場・マイクロ波測定器,【もの】ページ参照)の説明書に次のようなことが書いてありました。「電場と高周波のマイクロ波は人体で容易にシールドされますので,センサー部分を手で覆わないように注意してください。」電場は手でもさえぎることが可能なわけです。
◎静電気検知器では
ネビュラボールには,半球形の黒い覆いがついているのですが,ネビュラボールを動作させると静電気で吸いつくような感じがします。それで静電気検知器(【もの】ページ参照)で静電気の存在をたしかめてみると・・・。
非常に強力な静電気(5000V以上)が探知されました。強力な静電場であるわけです。ただ検知器の反応がふつうの静電気と違います。これは静電場ではなく変化する電場をとらえているのだと思われます。
◎途中にアルミホイルを入れると静電気検知器は
ネビュラボールと静電気検知器の間にアルミホイルや金網を入れると,これも見事に静電気が検知されなくなります。
◎電磁波(低周波磁場)測定器では
静電場が形成されているわけですが,電磁波は出していないのでしょうか。手持ちの測定器(【もの】ページ参照)で調べてみました。
ネビュラボールはかなり強力な電磁波を出しているのが測定されました。周囲ε0cmの空間に10mGを越える磁場が測定されました。家庭電化製品としては電子レンジ並の強さです。電磁波の測定をしてからというもの,サークルのみなさんは,ネビュラボールに近寄らなくなってしまいました。「電磁波が体に良くない」という説が一般的になってきているようです。
◎途中にアルミホイルを入れると電磁波は
また電磁波(磁場成分)測定器による測定では,非常におもしろいことがわかりました。途中にアルミホイルなどを入れると,全く電磁波が測定されなくなるのです。普通の家電製品の場合は,アルミホイルで覆っても,磁場成分を遮断することができないので,「磁場を測定する」測定器では,アルミホイルで覆う覆わないに関わらず測定できるのに対して,ネビュラボールでは,アルミホイルでさえぎると全く測定できなくなるのです。
つまりこれは,ネビュラボールの電磁場は電波のように磁場と電場を分離することができない高周波であることを示しています。また,家電製品のような低周波の場合は〈磁場と電場を分けて考えた方がよい〉ということを支持するものでもありましょう。
◎電場測定器では
Trifieldmeter(前述)で測ってみると,ε0cmの距離内で100kV/mを越える電場が計測されました。おもしろいことに,ネビュラボールに近づけると測定値が変動します。どうも,ネビュラボールの放電によって電場も変化しているようです。この〈変化する電場〉が磁場も生み出していると思われます。
「ネビュラボールの仕組み」によると,「ネビュラボールにはε千ボルトの電圧の高周波交流を使う。その振動数は安全のため100kHzを越えない。」となっています。Trifieldmeterの説明書によると,「電場センサーの出力特性は30〜500Hzの間で通常(フラット)。500Hz〜1000Hzでは±20%でフラット。1000Hz以上では,徐々に出力が低下して,100kHzでほぼゼロになるような出力特性をもっています。」とのことなので,実際の電場の強さはもっと強いものと想像されます。
この電波測定器も間にアルミホイルなどを入れると,電場が遮断されるのがわかります。
つづく
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