今月の『たのしい授業』
『たのしい授業』(仮説社)の記事へのボクの反応のページです。
積極的にサークルでも紹介して,その反応も掲載する予定です。
文中「サークル」とあるのは「札幌たの授サークル」(小笠原智さん主催)のことです。
■2005.6月号
これ,実にたのしいです。でも「下に割り箸を挟む」とか面倒だし,どちらが上でもいいのだけど,「どっちが上かわからない」。さらに水分子には上と下があるので,上下の組み合わせをそろえないといけない・・・。あー,面倒だ。そこで「解決しよう!」
「割り箸不要,上下も悩まない」・・・下にナットを瞬間接着剤で貼り付け。
「組み合わせに悩まない」・・・油性マジックで線を引いた。
おお,便利かも・・。 2005.7.3
■2000.3月号より
・一酸化二窒素の用途
23ぺに「〈一酸化二窒素〉のボンベは,いま工業用にどのように利用されているのか,残念ながら分かりません。」と板倉先生が書いてあるのを見て,喜んで調べてみました。
一酸化二窒素の用途は笑気ガスの他に
・アジ化ナトリウムの製造
・ロケット燃料に助燃剤として使う
というのがあるようです。
助燃剤としては,モータースポーツで俗に「ニトロ」と呼ばれる使い方がポピュラーだと思います。
これに関するサイトから内容を以下に転載します。
http://www05.u-page.so-net.ne.jp/zc4/ninja/nossetumei.htmより
「NITROUS OXIDE(亜酸化窒素)の効果」
3つのポイントがあります。
1:亜酸化窒素は窒素と酸素から成り立っています(重量でいうと酸素が36%)。亜酸化窒素を圧縮ストロークで約300゜Cに熱すると,分解され,過剰な酸素が放出され,この過剰な酸素がより多くの燃料を燃やします。この過剰酸素だけでは特別の効果はありませんが,より多くの燃料を燃やすという事はシリンダー圧力を高めるという事です。つまり,亜酸化窒素から放出された酸素がシリンダー圧力を高めるわけです。
2:圧力のかかった亜酸化窒素がマニフォールドに注入されると,亜酸化窒素は気化します。気化する事で窒素の温度は-53゜Cに低下します。その結果,顕著に冷却効果が表れ,吸入温度を約16゜Cから約24゜C,低下させます。冷却効果により,新たな別の効果が発生するのです。一般的な経験論からみても,吸入温度における-12゜C毎の変化は,1%のパワーアップが実現されると予測されます。例えば,350馬力のエンジンで吸入温度が約21゜C低下すると,冷却効果だけで約25馬力が増加されます。
3:圧縮ストロークが重要な仕事を実行すると,窒素もまた単体となって放出されます。この放出された窒素が燃焼過程を制御し,増加したシリンダー圧力を低下させる緩衝材の働きをします。
「何故,NITROUSシステムなのか?」
現代のモータースポーツではいくつかの理由から,一酸化二窒素を注入する事はごく当たり前の選択の一つになってきました。
1ドルに対する価値計算においても,NITROUSシステムなら他のマシン改造法よりも高いパフォーマンスをお約束します。
NITROUSシステムの設置は他の設備の設置よりも簡単です。NITROUSシステムは必要な時だけ作動しますので,一般的に燃費は変化しないのに,運転性能は高くなります。
25馬力から500馬力以上の特別なパワーが実際に必要な時,このシステムが力を発揮します。
現代のコンピュータ制御や燃料注入式エンジンにも利用できる数少ないオプション品。
移動や運搬が簡単です。
・原典がわかりました(2000.3.18)
上記のサイトの文章は,なにかを翻訳したようなわかりにくい文章です。この文章をたなかゆきえさんと桑野裕司さんを通じて板倉先生にお見せしたところ,やはり「よくわからないので書き直して欲しい」とのこと。そこで原典を探ると共に,「ニトロ」についてさらに調べてみました。そしてわかったのは,この原典は,アメリカのNitrous Oxide Sysyems,Inc.からのものだということです。そこで原文を下記に転載します。
http://www.nosnitrous.com/prod03.htmよりテキストのみ
How Does Nitrous Oxide Work?
There are three points. First, nitrous oxide is comprised of 2 parts nitrogen and one part oxygen (36% oxygen by
weight). When the nitrous oxide is heated to approximately 572oF (on compression stroke), it breaks down and release
extra oxygen, However, it is not this oxygen alone which creates additional power, but the ability of this oxygen
to burn more fuel. By burning more fuel, higher cylinder pressures are created and this is where most of the additional
power is realized. Secondly, as pressurized nitrous oxide is injected into the intake manifold, it changes from
a liquid to a gas (boils). This boiling affect reduces the temperature of the nitrous to a minus .127 Degrees F.
This "cooling affect" in turn significantly reduces intake charge temperatures by approximately 60-75
Degrees F. This also helps create additional power. A general rule of thumb: For every 10 Degrees F. reduction
in intake charge temperature, a 1% increase in power will be realized. Example: A 350 HP engine with an intake
temperature drop of 70 Degrees F, would gain approximately 25 HP on the cooling affect alone. The third point,
the nitrogen that was also released during the compression stroke performs an important role. Nitrogen acts to
"buff or dampen" the increased cylinder pressures leading to a controlled combustion process.
Why Nitrous?
Nitrous oxide injection has become a very popular option for today's performance enthusiast for several reasons:
Nitrous offers you more performance per dollar spent, than any other performance modification.
Nitrous installations are relatively easy to accomplish.
Since Nitrous is used only when needed, it offers you the advantages of complete driveability and normal gas mileage
while not "on the button."
Systems available for virtually any power need from 25 HP to over 500 extra HP.
One of the few performance options available for today's computer controlled, fuel injected engines.
Systems can easily be removed or transferred to another vehicle.
Why NOS?
Through years of involvement with all forms of high performance racing, NOS has evolved into the world's largest
manufacturer of performance nitrous systems. NOS designs and engineers nitrous systems for virtually anything with
an internal combustion engine from stock to highly modified cars, motorcycles, watercraft, aircraft and even snowmobiles.
NOS has become synonymous with quality high performance automotive products. Research and development, engineering
and technical support assure you of being part of the winning NOS team.
以下がボクの翻訳です。ところどころ言葉を補ってあります。
亜酸化窒素はどのように働くのか? 三つのポイントがあります。第一点目,亜酸化窒素(=一酸化二窒素)は,窒素原子2に酸素原子1からできています。(重量比では酸素が36%です。)亜酸化窒素がエンジンの圧縮行程で300度近くまで熱せられると,分解して酸素を放出します。しかしながら,エンジン出力を増加させるのは,この放出された酸素自体ではなく,この酸素がより多くの燃料を燃焼させることができる能力によります。より多くの燃料を燃焼させることにより,より高圧のシリンダー圧力が作られます。これがエンジン出力増加を得るところのおおもとです。第二点目,圧縮された液化亜酸化窒素が吸入マニフォールド内に噴射されると,そこで気化します。亜酸化窒素は,気化することにより気化熱を奪われ,−52.8度にまで低下します。この冷却作用は,次には吸入気体の温度を16度から24度も著しく低下させることになります。このことも出力増大に寄与するのです。一般的な経験則から言って,吸入温度が−12度(華氏10度)低下するごとに,エンジン出力は1%増加します。たとえば,350馬力のエンジンで吸入温度が21度(華氏70度)低下すると,冷却効果だけで25馬力の出力が増えることになります。(翻訳者注 華氏の計算では合っている。)第三点目,圧縮行程で亜酸化窒素が分解してできた窒素は重要な役割を果たします。窒素は不正着火が起こらない制御された燃焼過程となるように,増大したシリンダー圧力をいくぶん弱める働きをします。 亜酸化窒素噴射は,以下に述べるいくつかの理由で今日の「性能アップマニア」にとって,一般的な方法となってきました。 なぜNOS社製品なのか? レースのパフォーマンス向上のための方法がたくさんあり混乱した時代を通り抜け,NOS社は亜酸化窒素システムの性能で世界一の製造業者に発展いたしました。NOS社は亜酸化窒素システムを一般車から高度に改良された車や,オートバイ,船舶,航空機,スノーモービルに至るまでその内燃機関に合わせて設計制作しています。NOS社の名前は,自動車や航空機などの高い性能を表す言葉と同意語になりました。研究と開発,工学と技術サポートは,あなたを勝利するNOSチームの一員になることを保証します。
なぜ亜酸化窒素噴射なのか?
亜酸化窒素噴射は,他の性能改良よりもコストパフォーマンスがよい。
亜酸化窒素噴射は,設置が比較的簡単です。
亜酸化窒素噴射は,必要なときだけ使用できるので,使用していないときの通常の燃費と運転のしやすさという利点があります。
このシステムは,事実上25馬力から500馬力以上までの出力増加に有効です。
今日のコンピューター制御された燃料噴射式エンジンにも利用可能な数少ない性能改良オプションのひとつです。
システムの取り外しや,他の車両への移設も簡単です。
原文では「温度が華氏10度低下するごとにエンジン出力1%向上だから,華氏70度低下したら7%向上」という事なのですが,その華氏を摂氏に直すと「摂氏-12度ごとに・・・・摂氏21度低下すると」となり計算が合わなくなります。
華氏=9/5*摂氏+32
の式で計算したのですがなんかおかしいです。まてよ華氏での7倍の変化は摂氏では7/5倍の変化となるということかな。うーん数学は苦手です。(2000.3.18)
・「ニトロ」の利用
日本の自動車改造マニアの間では,亜酸化窒素噴射システムのことを「ニトロ」とか「NOS」といっているようです。もともとは航空機のエンジン用の技術らしいです。エンジン出力を高める技術にターボチャージャーやスーパーチャージャーがあります。これらは,より多くの空気と燃料ををエンジンに送り込んで燃焼させて,より大きな出力を得る技術です。しかし,ここに大きな問題があります。いくらたくさんの空気を送り込もうとしても,送り込まれる空気の温度が高いときは,膨張して実質的な酸素濃度が低くなりますから,効果が現れにくくなってしまうのです。そこでターボチャージャーなどでは,送り込む空気を途中で冷却して温度を下げてやっています。つまりこういったエンジンでは,「吸入気体の温度をいかに下げるか」ということが問題です。そういう点で,この亜酸化窒素噴射システムは大変効果的のようです。
映画『マッドマックス2』に,この「ニトロ」を使う場面がありました。(2000.3.18))
・「ニトロ」ボンベの写真
http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Pit/4661/Z/znitolo.htmより
左 青いボンベの中身が亜酸化窒素。「NOS」の文字が見える。
ボンベが青なのは「窒素」の色だからだろうか。
右
ラベルの拡大図。
「酸化剤」「不燃性」 「最大100ppmの二酸化硫黄と亜酸化窒素の混合気体」というのが読める。なぜ二酸化硫黄が混ぜてあるのであろうか。医療用の「笑気」ではどうなのだろか。
・一酸化二窒素の用途さらに判明
『日本大百科全書』(小学館)によると,一酸化窒素は「クリームの泡立て,有機化合物の酸化剤として用いられる」とのことである。有機化合物はよいとして,なぜ「クリームの泡立て」に使うのかは不明。一酸化二窒素には,「かすかな甘みと芳香がある」そうなので,そのためかも知れません。アイスクリームの製造法の本でも調べてみようと思っています。(2000.3.18)
下に書きましたが,ホイップクリームの製造用のようです。食品用として亜酸化窒素の安全性と使いやすさ(液化温度圧力など)が適していたのでしょう。
なお下の記事には「純亜酸化窒素使用」とありますが,サイトによっては「乱用を防ぐため変質させた亜酸化窒素を使っている」と書かれていたものもありました。詳細はまだ不明です。(2000.3.19)
http://www.resort.com/~banshee/Info/N2O/N2O.htmlによると,亜酸化窒素の用途が次のように書かれています。
N2O, or Nitrous Oxide, also known as laughing gas, is a weak anaesthetic gas that has
been in use since the late 18th century. Common use includes both surgical and recreational purposes. Most people
have experienced nitrous in the context of dentistry. Nitrous is also used in the dairy industry as a mixing and
foaming agent as it is non-flammable, bacteriostatic (stops bacteria from growing) and leaves no taste or odour.
Nitrous is also used in auto racing to speed engines. Nitrous is even used in diving to prepare divers for nitrous-like
effects.
一酸化二窒素(亜酸化窒素,笑気としても知られる)は,18世紀後半から用いられるようになった弱い麻酔性のガスです。外科用,レクリエーション用とも一般的な用途です。たいていの人は,亜酸化窒素を歯科医で体験しています。亜酸化窒素は,その不燃性や細菌発育阻止性,そして味や臭気を残さない性質により,乳製品加工業でも混ぜ合わせや泡立てのための薬品として使われています。亜酸化窒素は,エンジン出力増加のため自動車レースでもまた使われます。亜酸化窒素は,ダイビングでもダイバーに「窒素酔い」の準備をさせるためにも使われています。
食品やエアゾール製品に使う理由が分かりました。
(2000.3.20)
さらにおもしろい説明を見つけました。
http://www.resort.com/~banshee/Info/N2O/nitrous.info.html#dairyより一部を翻訳
原文「亜酸化窒素の作用」は【研究資料室】にあります。
亜酸化窒素の作用 なぜ亜酸化窒素はホイップクリームに使われるのか? それはおもしろい質問です。亜酸化窒素がスプレー用の高圧ガスに使われるのは,それが液体のクリームに溶けるからです。クリームがスプレー缶から出るときに,ガスは膨張しクリームを泡状態にします。(この説明は『Food
Science』より) 以下略
(2000/3/21)
なんとアメリカでは,ふつうに亜酸化窒素のボンベが売られています。「ホイップクリームディスペンサー」(左写真)用のカートリッジ(右の写真)としてです。
http://www.aheadcase.com/Accessories/Other/otherframe.htmlによると,約500ml用ので60ドル。10ccの純亜酸化窒素入りのカートリッジが10本で約9ドルです。(2000.3.19)
・日本での亜酸化窒素と外国でのNitrous Oxide
インターネットで日本国内のサイトを亜酸化窒素で検索したら,出てくるのは「地球温暖化」ばかり。ところが外国のサイトでは,地球温暖化は全くと言っていいほど見られず,「亜酸化窒素の誤用問題(吸入して酸欠により死亡)」が多いです。地球温暖化問題は日本でのみ流行しているようです。(2000.3.19)
・亜酸化窒素と一酸化二窒素
亜酸化窒素とは一酸化二窒素の俗名で,同様に Nitrous oxide は,Dinitrogen monooxideの俗名です。(2000.3.19)
・亜酸化窒素のアメリカでの用途
合衆国の圧縮ガス協会(Compressed Gas Association)のサイトに亜酸化窒素の用途など詳しい情報がありましたのでその一部を翻訳して引用します。原文は「CGA亜酸化窒素のデータシート」として【研究資料室】に載せておきます。
http://www.cganet.com/N2O/factsht.htmより
◎亜酸化窒素とは何か (未翻訳) ◎亜酸化窒素の主な用途は何か
用途
割合
89-90%
5-8%
3-5%
「そのほか」に入るものは
医科歯科用麻酔(鎮痛の目的)
食品加工用高圧ガス
そのほか
・半導体製造 純度を高めるための酸化剤として
・分析化学 アセチレンと共に原子吸収分光測定法(atomic absorption spectrometry)での酸化剤として
・化学工業 エアバックを膨らませる化学製品の原料として
・競技用自動車エンジン噴射システム 馬力増加のため
亜酸化窒素は麻酔として使われるときには酸素と混合させます。純粋な亜酸化窒素を使うことは,窒息を引き起こし,最終的には呼吸停止に至ります。
食品加工用高圧ガスとして使われる亜酸化窒素は,一般的に加圧食品分配容器の商業的用途に供給されています。それは,食料資材店で仕入れられている「ホイップペット(Whippets)」の小型カートリッジにもまた入っています。個人が「ホイップペット」を購入できるかどうかの制限は,州によってそれぞれ違っています。海外の企業であるISIは「ホイップペット」の製造業者のうちの一つです。合衆国内での「ホイップペット」製造業者は知られていません。
この用途のために売られる一酸化二窒素は,吸入を防ぐために変性されられています。
(以下未翻訳につき項目のタイトルだけ訳出しておきます。)
◎どうやって一酸化二窒素はつくられるか
◎北アメリカで亜酸化窒素を製造している企業はどこか
◎亜酸化窒素の年間の生産量はいくらか
◎どのようにして亜酸化窒素は配送され,保存され,売られるのか
◎合衆国で亜酸化窒素を保管している箇所はどれぐらいあるのか
◎亜酸化窒素のシリンダーの大きさはどれぐらいか
◎亜酸化窒素のシリンダー一本でいくらか
◎亜酸化窒素はどうやって乱用者の手に渡るのか
◎年間の販売量はいくらか
◎亜酸化窒素の人体への影響
◎亜酸化窒素の人体への影響についての科学的説明
(2000.3.19)
◎BOGガス社のサイトより亜酸化窒素の用途
原文を【研究資料室】に置いておきます。
http://www.boc.com/gases/products/nitro/nitro.htmより一部を翻訳
亜酸化窒素の用途 ・実験用等級の亜酸化窒素は,原子吸収分光分析法(atomic absorption spectrophotometry )に(酸化剤として)助燃剤に使われる。 ・一般的に他の薬品を追加されて,麻酔薬のベースとして ・冷凍手術 ・ホイップクリーム,化粧品,ひげ剃り用クリーム,殺虫スプレーのようなエアゾール製品用の高圧ガスとして ・例外的に,特別な安全予防措置が要求されるところの「ドラッグレース」(改造車による出足を競うレース)用の出力増加用燃料として
(2000.3.20)
◎アメリカでの笑気ガスに対する法規制
アメリカの多くのサイトでは,「笑気ガスを吸入することの危険性」が取り上げられています。
http://www.resort.com/~banshee/Info/N2O/N2O.htmlより
亜酸化窒素ガス吸入の法的見地
カリフォルニア州において,吸入の目的で亜酸化窒素を所持することは,軽犯罪になります。このことは,おそらく他の多くの州でも同じです。次にあげるのはカリフォルニア州の刑法からのものです。
381b. (以下略)
日本では,まだこのような法律は無いと思います。アメリカでは「笑気吸入」というのが問題になっているようです。(2000.4.12)
◎「電気まとい」 山田正男
・出典について
記事で山田さんは「『図説科学大系 9.電気』(平凡社)の中に見つけた」と書いていますが,ボクが思うに,このたぐいの実験は物理実験としてはかなりポピュラーなもの(理科教師ならほとんど知っている)で,ふつうはバン・デ・グラーフ起電機の球形の頭に直接紙片などをつけて電界の様子を示すのに使われるものです。
・材料について
山田さんは最初ティーバックの紙で作り,次には雁皮紙という和紙を使っています。そういった特殊な材料の方がよいのかもしれませんが,バンテグラーフ起電機を使うときは,ふつうの紙やスズランテープでも問題はありません。ボクは,山田さんの方法で「折り染め」に使う障子紙を使ってみました。「和紙に似ているのではないか」と思ったからです。
・作り方について
記事では「3ミリメートルくらいの間隔で切り込みを入れていく」とありますが,それでは紙幅が大きすぎて開きが悪いように思いました。2ミリメートル以下の方が良さそうです。ただあまり細いと,途中でちぎれてしまいます。
切った紙を発泡スチロール球に巻き付けるときは,両面テープを使いました。
竹串は,とがっている方をアルミ皿に刺した方がいいみたいです。とがっていない方ではアルミ皿に穴を開けるのに一苦労します。
・遊び方について
「エレキテル」を使う場合には,アルミ皿に集電器としての突起をつける必要はありません。
塩ビ管は,短いものだと帯電量が少ないのか,うまくまといを開かせることができませんでした。「短い塩ビ管をみんなに配って遊んでもらおう」と思ったのは失敗。
・サークルでの反応
サークルでの反応は「ふーん」というもの。材料を用意して,参加者のみなさんに作ってもらおうと思っていましたが,希望者はいませんでした。
◎「電気くらげを飛ばそう」 権田信朗
・出典について
米村傳治郎ほか「空飛ぶ電気くらげ」が出典とありましたが,ボクはこの「電気くらげ」をNHK教育テレビの「やってみようなんでも実験」で知りました。サークルでは「その番組で米村傳治郎がやっているのを観た」という人もいました。ボクが見た番組では米村さんは出てこなかったので,その番組では何回か取り上げられているようです。
・遊び方について
この実験も塩ビ管が短いとうまくいかないようです。また「やってみようなんでも実験」では,「ストローの先に電極をつけて帯電させたシャボン玉を同じように塩ビ管で飛ばせる」という実験もやっていました。これも見事でした。
・サークルでの反応
これはみなさんとてもたのしそうにやっていました。「くらげ」の長さや塩ビ管の長さを変えて色々と試していました。その結果,「くらげ」の半径は30センチぐらいが限度のようです。また塩ビ管の長さは30センチだと全くできません。1メートルでは長すぎて,「くらげ」のコントロールが難しいです。どうも50〜60センチぐらいがちょうど良いようです。
・追加情報
権田信朗さんが出している情報紙「いろいろ・ものもの」2000年1月号の別冊には,同じ実験が「空気中に浮くポンポン」として載っている本(『子どもに「すごい」といわせるとっておきの手品』永岡書店)が紹介されています。そこには「くらげ」を塩ビ管ではなくて細長い風船を使って浮かせて遊ぶのが載っています。これだと塩ビ管の用意がいらないので,より手軽にできます。
また『たのしい授業』2000.3号の「はみだしたの」には,「細長い風船(ペンシルバルーン)を使って,水風船をふくらませたものを浮かせる」というのが谷岩雄さんから紹介されています。(2000/3/16)
マジックバルーン(細長い風船)を使うと,うまく帯電させられないことを発見。風船上で分極が起こり,どうしても全体が同電位にならないのです。ティッシュと風船の組み合わせが悪いのかも知れないと思って,風船を頭髪でこすったら,うまくいきました。(2002.2.4)
疑問 塩ビ管が短いとどうしてうまくいかないのか。 「表面積が小さいので帯電量が少ない」というのがボクの予想でしたが,サークルで「30センチと50センチなら,表面積はそんなに変わらないのではないか」と言われました。
実際は30センチの塩ビ管をパチパチいうまでこすっても,すぐに静電気が逃げていくような感じなのです。しかし50センチもあれば十分です。
30センチのものだとにぎっている手が塩ビ管の3分の1ぐらいを占めてしまいますから,手や人体の影響を受けているのかもしれません。
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