研究の道具箱

 育児や家事に追われて,さらに地方に住むボクにとっては,インターネットは頼りになる研究の道具です。そこでボクのようなシロウトがインターネットを利用して研究するためのヒントとなるような情報をまとめていきたいと思っています。
 塚本浩司さんの「楽知ん研究所」ホームページの「リンク集」は,とても参考になりました。また具体的な図書館の利用方法については,野戸谷睦さんから詳しく教えていただきました。感謝申しあげます。

更新日

内容

コメント

2002.3.5

新聞記事検索法 どうしてもネットで済ませたい・・・

2001.4.19

CIA World Factbook 世界各国の情報はここから。

2001.2.3

アマゾン インターネット書店はここに決まり。

2000.6.19

クロネコブックサービス 「丸善」よりも便利になった。

2000.4.5

事典・辞書情報 『スーパー・ニッポニカ』これがパソコン用事典辞書の本命。

2000.4.3

シロウト研究法 ボクの研究方法をまとめてみました

2000.1.28

辞書事典情報 500円の百科事典!

99.6.15

コメント追加 池田さんからのコメントを追加しました。

99.6.5

新規作成 野戸谷さんのおかげでこのページをまとめることができました。これから追記していきたいです。

メールで反応をどうぞ。伝言板に反応をどうぞ。

■ボクの基本的研究スタイル

 ボクは一応大学を出ていますが,大学では研究法について何も教わらなかったので,全くのシロウトです。そんなボクに,現在授業書作成で磁石のことを研究している桜井寿人さんから「たとえば磁石ならどうやって調べたらよいのか,研究方法について教えて欲しい」という質問を受けました。これに対して「ボクならこうする」というスタイルは明確なので,ここにまとめておきたいと思います。まとめるきっかけをくれた桜井さん,ありがとうございました。(2000.4.3)


たとえば磁石について調べるなら

・文献調査
 まずボクは大学生協や大型書店などの専門書が多いところへ行きます。そして磁石に関係ありそうな本を片っ端から読みます。そして磁石についての文献の傾向をつかみます。ここで,たとえば「『◎■磁石学』という本はハズレで,『磁気学』という本が調べたい内容がのっている」という目星がつきます。もちろん本は買います。本は「10万円研究法」のルールで買います。つまり「総額10万円で買う。それ以上かかるような研究はマニアックすぎるからしない」ということです。本は,専門書以外にも「科学啓蒙書」や「児童書」も必ず調べます。
 ボクは本は手元に置いておきたいので,図書館へはまず行きません。大学図書館などの本を借りることは難しいという理由もあります。

・本を買う
 本の傾向が分かると,タイトルだけで目星をつけて注文することができるようになります。インターネットの丸善書店(下記参照)で関心のあるタイトルで検索して,買いまくります。全部買ったとしても10万円にいくことはほとんどないので,本当に買いまくります。

・原典を探る
 調べたいことが絞られてくると,本の文献リストなどから原典に当たります。ここで原典が学会論文だったり,専門雑誌だったりすると,それを探すのは現在のボクにはできません。でも本であるなら,インターネット古本屋(下記参照)を当たることになります。

・インターネットで検索
 文献を探すと同時にインターネットでも検索します。この際,日本語のサイトだけではほとんど情報はみつかりません。英語で検索すると情報が飛躍的に増えます。詳細は下記で。

・コピーする
 「研究に役立つ」と思われたところをコピーします。このとき奥付を一緒にコピーしておくことです。そうしないと,レポートの出典表記の時に,どこからの文献が探すのが大変になります。そしてコピーしたものを製本します。あとは,これに付箋を貼ったり,書き込んだりしていきます。





■辞書・辞典

◎英和辞典
 「科学技術英和辞典」よりもずっと頼りになるのが,『英和大辞典』です。詳しくは書名をクリックしてみてください。ただこれはとても大型の本なので,持ち歩くのは現実的ではありません。ボクは,『リーダーズ英和辞典』(システムソフト発売)と『リーダーズ プラス英和辞典』(同)をパソコンに組み入れて使っています。あわせて4万円ほどですが,これはとてもとても便利で,これらなくして英語が多いインターネットでの研究は難しいです。
 なお市販の『科学英和辞典』などは,最新の科学用語ばかりで基本的な用語が欠落していますので,ボクには全く役に立ちませんでした。


◎翻訳ソフト
 ボクの経験では,市販の「翻訳ソフト」は全く役に立ちません。不可解な日本語にしてくれるので,「翻訳ソフトの不可解な日本語を理解する」という余計な作業が加わります。しかも「翻訳文が全く意味不明なので原文に当たったら,とても簡単な英文だった」ということがたくさんありました。そこで翻訳には,上記の英和辞典が一番です。



◎国語辞典
 『広辞苑』(岩波書店)を「CDROMをまるごとパソコンにコピーするソフト」を使ってパソコンに組み入れて使っています。このソフトはなかなかおもしろく,よい暇つぶしにもなります。たとえば「猫」で検索すると猫の付く言葉がたくさん出てきますが,その言葉の意味を予想しながら読んでいくとたのしいです。『広辞苑』はε千円ぐらいです。


◎百科事典
 『マイペディア』(日立デジタル平凡社)を『広辞苑』と同様にしてパソコンに組み入れて使っています。この百科事典ソフトの利点は,なんといっても安いことです。たったの500円でした。『ピーシー・サクセス』(デアゴスティーニ・ジャパン)という雑誌の創刊号(2000.2.8)の付録に付いていたものです。付録ですから,「文章やイメージのコピーができない」などの制約もありますが,調べるだけでしたら,これで十分で重宝します。
 マイクロソフトの『エンカルタ97』も持っていますが,科学に関する情報量が少ないのと,やたら動画や画像が出てきて使いにくいので使っていません。


◎本命の事典辞書

 『スーパー・ニッポニカ[ライト版]』 小学館 1,5000円

 『日本大百科全書』と『国語大辞典』のデータが合わさった電子辞典辞書です。同名の『スーパー・ニッポニカ』がずっと欲しかったのですが,値段が高くて躊躇していましたら,「ライト版」が出たわけです。しかしこの「ライト版」は,『スーパー・ニッポニカ』と比べて「マルチメディアデータがない」というだけで,むしろボクにはそのほうがよいので大感激もの。さらに「全文検索」など機能強化もされています。実際に使ってみると,科学の事項も盛りだくさんで,次から次といろんな情報が出てきます。もちろんこれさえあれば,上記の『広辞苑』も『マイペディア』も不要です。

 最初この『スーパー・ニッポニカ』を書店で見つけたため,「書籍扱い」(=定価販売)かと思いましたが,パソコンショップでも取り扱っていました。パソコンショップでは,値引き販売していますので,そちらがおすすめです。


◎インターネットでの百科事典検索サービス
 「検索8時間まで100円」か「年間約4000円」のどちらかの契約で,インターネットから『世界百科大事典』などを検索することができます。
 便利なのは,「お試し」として5分間以内の検索が無料でできることです。インターネットへ速い速度で通信できる環境にあれば,これはなかなか重宝します。以下のアドレスで試せます。

 「ネットで百科」 http://ds.hbi.ne.jp/netencytop/index.html


◎理科事典
 基礎資料として『理化学辞典』(岩波書店)を使っていますが,これも重いので,いいCDROM版の事典がないかなぁと思っています。






■本の入手

◎現在売っている本


◎アマゾン

http://www.amazon.co.jp/

 ここを利用してみて,もう下記のサイトは利用する必要を全く感じなくなりました。素晴らしいの一言です。まず丸善のように新書や文庫を注文できないと言うことはありません。漫画まで注文できます。しかも,本の表紙が表示されて,書評も読むことができるので,「予想と内容が全く違って,損しただけ」ということがまずありません。

 さらに現在は送料が無料。さらにさらに洋書が安い。安いなんてもんじゃない。丸善で先日届いた『World Paper Money』1,2000円がアマゾンでは,6000円で買えるのです。半額。

 まず,丸善インターネットショッピングのホームページ

   http://www.maruzen.co.jp./


で検索をして,売っているかどうかを調べます。ここでは150万冊のデータから簡単に検索と注文ができます。品切れや絶版の本の検索もできます。検索は,「タイトルの一部」などうろ覚えでも大丈夫。注文には,先に会員登録(無料)をする必要があります。代金はクレジットカード決済で,送料は一度の注文(配達毎ではない)につき380円。本は入荷次第,注文した本が全部そろわなくても,次々と宅配便で配達してくれます。ただ文庫本の検索・注文はできないようです。
 丸善はクレジットカード番号などの安全には随分気を使っていて,会員登録の手続きが郵送なので,登録までに1週間ほどかかります。早めに登録されることをおすすめします。


 クロネコ ブックサービス http://www.bookservice.co.jp/

 ここは最近とても使いやすくなりました。文庫や新書も検索注文できますし,丸善で断られた本の取り寄せもやってくれました。詳細はこちらで。



◎古本

 現在売っていない本の場合は,古本にあたります。古本の検索ページが便利です。

 古書検索サーチエンジン一覧
 http://kbic.ardour.co.jp/~newgenji/oldbook/t-serch.html


またBizseekで,欲しい古本の情報を登録しておくと,入荷次第連絡してくれます。

 Bizseek
 http://www.bizseek.gr.jp/book/


 しかしボクの経験では,欲しい古本はなかなかみつかりません。

「インターネットの古本検索はほとんど役に立たない」という印象をもっています。検索でやっと探し当てて,その書店に電話で在庫を確認したら「品切れ」と言われたことが何度あったことか...データベースをきちんと更新していないんですよね。
(池田毅司さんからのアドバイス)


◎図書館

 ボクが驚いたことに,全国の大学図書館の蔵書検索がインターネットで簡単にできます。しかし,見つかった本をどうやって借りるかは問題です。

 学術情報センター総合目録データベース Webcat
 http://www.nacsis.ac.jp/

 ここはスゴイ検索ホームページです。札幌市立図書館にいったときも「コンピュータで全国の大学図書館の蔵書をしらべましょうか」と言われたのですが,このホームページを使っているようで(推測です),同じ結果でした。ということは,家の中に公立図書館と同程度の検索環境をもっていることになります。これはすごいことです。
 ただし検索したあとは,従来どおりの方法にたよるしかありません。つまり,電話,お願い,つて,などなどです。でも,「どこにあるのか」ということがわかっただけでそうとう違うと思うのですが・・・。
 そういえば,以前楽知んネットでも話題になっていたことですが,大学の図書館のサービスを受けにくいことから「大学生になってしまう」とうことがのっていたことがあります。大学生になってしまえば,全国の大学図書館の利用がしやすくなるのだそうです。そこでは「放送大学の学生になる」という話題がのっていたことがあります。
 放送大学というのは,不思議な大学で図書館ももっているのだそうです。以前検索した文献は,放送大学図書館に蔵書とでで,「これだったら放送大学の学生になるのもいいかも」と思ったことがあります。
(野戸谷睦さんからのアドバイス)




インターネットに北海道教育大学図書館や北海道大学図書館のホームページがあって,目当ての本があるかどうか調べられます。近所の公立図書館 → 道立図書館 → 大学図書館とちょっと面倒なルートですが本を借りることができるようです。
教育大学は直接行けば書庫に入れるし,すぐ借りられます(とても便利です,借りれる冊数や日数は学部生と変わりません)が,北大は大学関係者以外の人を図書館に入れないんじゃないかと思います。
教育大学図書館ホームページ http://s-opac.sap.hokkyodai.ac.jp/
このホームページから北大図書館もリンクしていたと思います。
(池田毅司さんからのアドバイス)


 公共図書館の場合は,上記の関連ページに

 公共図書館リンク集
 http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/jla/link.htm


があって,蔵書検索のできる公共図書館がわかります。しかし,ここでもどうやって借りたらよいのかという問題があります。

・司書と仲良く

 最短で最良の方法は,図書司書と仲良くなることです。ボクはここからいきます。司書を最大限に利用するという目的をもって研究をしている人は地方にはほとんどいません。旭川ではそうでした。ですから,質問をするととてもよろこんでくれます。司書は本探しのプロです。よい司書と仲良くするのが,私たち一般の研究人の道だったりしてね。
(野戸谷睦さんからのアドバイス)


◎出版社にあたる

 直接出版社の編集部などに問い合わせてみると,「1冊あったのでお譲りします」というようになる可能性があります。ボクも何度か経験しました。しかし確実ではありません。


■専門雑誌

 野戸谷さんから詳しく教えていただきました。

 専門雑誌は,図書館に行くのが一番はやいと思います。
 図書館には,専門雑誌の目録がかならずあります。まず,雑誌のあたりをつけ関係のありそうな項目をしらみつぶしに探すのがじつは一番はやいのではないでしょうか。「これ」というのがありましたら,どこに所蔵しているかででいます。
 大学の図書館のみでしたら,入手はまず難しいと思います。国公立の図書館だったら,司書経由で入手することができます。この場合たいてい,専用の申込書があるので司書にお願いするとよいでしょう。
 公立の図書館だったら,直接電話をかけて,コピーしてとお願いすることも可能
です。ボクは沖縄県立に直接お願いで,全文コピーに成功しました。
 沖縄県立図書館の費用は,コピー代分の振込用紙が入っていました。郵便局から振り込みました。非常にやすくあがりましたよ。


 じっさい,研究をすすめていくと「専門雑誌をどのくらい目を通せるか勝負(?)」
になることが多々あります。しかも,雑誌だからすぐには手に入らない・・。こ
のへんの資料のあつまりかたが,シロウトとプロ(専門領域だけを深くせま〜く
研究しているプロね)との違いであったりします。でもねっ,インターネットを
家庭に引いた今,それは過去のモノになるかも・・・。

(野戸谷さんからのアドバイス)

■インターネット検索法

 拙作のレポートをお読みください。

 ◎「インターネット利用研究資料検索法」

 上記の研究で確立したインターネットの利用法。具体的に利用(模倣)できるように配慮しました。(1998.8)


■ホームページの記録保存

 おすすめのソフトを【もの】ページに書いておきました。


ホームページ

 世界各国の基本データ(人口など)をどこから調べるのかというのに,いつも苦慮していました。いままでは外務省のサイトや『世界の国一覧』,『イミダス』などを利用していたのですが,なんとなく信頼が置けない・・・。特にイスラム教徒の割合を調べたときに,平野孝典さんのデータと違うところが多くてびっくりしました。そこで平野さんにデータの出典を尋ねたところ,「CIAのサイト」と教えてくださいました。そしてここを見てみると,「うーん,さすがCIA」という感じ。「World Factbook」というサイトで,CIAが集めた各国の情報を公開しているのです。ここなら一番信頼が出来そうな感じです。しかも情報は国別に載っているだけでなく「宗教」「人口」などのカテゴリーでも調べることが出来ます。欲を言えば,表になっていて欲しかったですが。


CIA The World Factbook 2000

http://www.odci.gov/cia/publications/factbook/index.html


新聞記事検索法

 最近新聞記事で調べる研究が多くなり,新聞もあんまり読まないボクとしては,ちと辛い。


◎最近の記事 国内主要新聞

 主要新聞の記事は,それぞれの新聞社のサイトで簡単に検索できるので助かります。新聞社によって検索できる期間が違いますが,長いものでは3年前の記事まで検索できます。新聞社によって取り上げる記事に違いがあって,大変おもしろいです。また海外の記事などは,配信元の共同通信社と時事通信社のサイトも調べると良いです。


◎過去の記事 国内主要新聞

 3年前よりも古い新聞記事(1985年以降)は,有料で検索できます。@niftyでは「見出し1件ににつき5円,記事本文1件につき50〜100円」です。たくさんの新聞の検索ができますが,記事の見出しが1件表示されるごとに5円取られるので,貧乏性のボクには,きついです。だから新聞を絞っての検索をしますが,それでも便利です。図書館で縮刷版を調べる苦労を思えば安いもの。1985年よりも古い新聞記事については,残念ながら図書館で縮刷版を調べるしかないようです。


 新聞記事横断検索 http://www.nifty.com/QXCN/ 36種の新聞より検索(有料)


◎最近の記事 海外のソース

 これは以下のサイトで,膨大なニュースソースから検索が可能です。こんな便利なところはそうないので,ぜひご活用を。

 World News.com http://www.worldnews.com/


ここをクリックすると,最初のページに戻ります。