参加者の反応


 ボクの予想は,「だいたい無視されるだろう。でも少数の反発も出るだろう」というものでした。実際は,最初は反発的な質問の嵐でした。その後従来の考えの意見が強く出される中,「こんな発想は初めてだ。今まで考えたこともない。これなら未来は明るいかも知れない」という意見が出され,ボクの主張に沿った意見も後半かなり出され物議を醸しました。しかし,最初から最後まで反発していた教師もたくさんいました。
 こうした研修会としては異例の盛り上がりを見せたのに,組合代表の意見は「今日の話し合いは具体的な深まりがなかった」としていくつかの点を取り上げて反発しました。教育委員会代表は価値判断をしかねているようで「魅力ある学校作りが大切」と一般論でした。
 研修会の終了後ひとりの教師がボクのところにやってきて,「ユニークな見解に目が覚めた。これから〈こういう考えかたもある〉ということを生徒や同僚に言っていきたい」と握手を求めました。
 進学校といわれている学校の教員は,誰一人として発言しませんでした。賛成も不賛成も進学校ではない学校の教員からのものでした。

 また組合代表の理科教師は,「〈真理は実験で決まる〉と提言者は言ったが,本当に実験で解決できるのか。長い期間のかかるものは実験できない。たとえばプレートテクトニクスが本当だというのなら,海溝に放射性廃棄物を投棄すればよいことになる。地球の内部に運んでくれるのだから,環境汚染の心配もない」というコメントを最後に残してくれました。
「自分たちが努力したって学校は変えられない」という意見にボクの提言に好意的な教師が「考えて見ろ。五年たてば,俺たちが学校のトップではないか。だから学校を変えることができるではないか」と反論したのが印象的でした。

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