http://www.iris.org.il/plochart.htmからの翻訳。



パレスチナ国民憲章
1968.7

1.パレスチナはアラブのパレスチナ人の郷土であり,アラブの郷土の不可分な一部であり,パレスチナ人民はアラブ民族の一部として欠かせないものである。


2.英国委任統治時代のパレスチナ国境は不可分の領土である。

3.パレスチナのアラブ人は,彼らの郷土に対して法的な権利を所有するとともに,彼らの希望と完全な同意と意志により,彼らの国土を解放を達成した後に,彼らの運命を決定する権利を持つ。

4.パレスチナ人のアイデンティティは,生粋で本質的な固有の特質であり,それは親から子へと伝えられる。彼らに降りかかった災難,つまりシオニストの占領とパレスチナのアラブ人の離散は彼らにパレスチナ人のアイデンティティとパレスチナ社会の一員であることを失わせるものではなく,無効にすることではない。


5.パレスチナ人は,退去させられたか,そこに留まったかに関わらず,1947年までパレスチナに正規に居住していたアラブ人のことである。それ以降,パレスチナで生まれたかどうかに関わらず,パレスチナ人の父から生まれた子どもはみなパレスチナ人である。

6.シオニストの侵略前にパレスチナに正規に居住していたユダヤ人はパレスチナ人とみなされることになるだろう。

7.パレスチナ社会とそれがパレスチナと物質的精神的歴史的つながりがあることは明白な事実である。アラブ革命によりパレスチナ人個々を前線に送り込むのは,全国民の義務である。情報と教育のすべての手段は,可能な限り精神面と物質面の両面において最も深遠なところまで国土のことをパレスチナ人に理解させるために採用されなければならない。国民は国土を取り戻しその開放を勝ち得るために,武力闘争の準備をし,冨と命を捧げる準備をしなければならない。

8.現在生存しているパレスチナ人にとって,今は歴史の中でパレスチナ解放のための国家的闘争の段階である。であるからして,シオニストや帝国主義とパレスチナのアラブ人との間に存在する基本的な衝突のために,パレスチナ軍同士のいさかいは二次的問題であり,終了させなければならない。この原則に基づき,パレスチナ人は,郷土に居住しているか,離散状態であるかに関わらず,彼らの組織と個人の両方は,武力闘争を通してのパレスチナの解放と復旧のためにひとつの国民戦線に集合する。

9.武力闘争はパレスチナ解放のための唯一の道である。これは全般的戦略であり,一時的戦術ではない。パレスチナのアラブ人は,彼らの国土を解放し,そこへ戻るための武力人民革命のために奉仕し,武力闘争を続ける彼らの絶対的決断と強固な意志を表明する。

10.戦闘行為はパレスチナ民衆解放戦争の核を構成する。武力パレスチナ革命において,その拡大と包括性,全パレスチナ民衆の動員,教育的努力,組織と熱意を求めるられる。また同様に,革命の持続とその拡大と勝利を確かなものにするために,パレスチナ人とアラブ大衆の間と諸パレスチナ人組織間の国家的闘争に対する統一が求められる。

11.パレスチナ人は国家的統一,国民的動員,解放の3つのモットーを持つことになるであろう。

12.パレスチナ人民はアラブの統一を信じる。彼らは現在の闘争で,パレスチナ人のアイデンティティを保護し,その自覚の啓発しなければならないが,アラブ統一達成のため貢献するために,それを損なったり消滅させたりするどんな計画にも反対する

13.アラブ統一とパレスチナ解放は相補的な目標であり,どちらかの達成は,残った方の達成を促進させる。従って,アラブ統一はパレスチナの解放を導き,パレスチナ解放はアラブの統一を導く,ひとつの目標の実現への歩みは,他方の目標の実現への歩みともなる。

14.アラブ民族の定めとアラブ自身の真の存在は,パレスチナの大義にかかっている。この相互依存性が,アラブ民族のパレスチナ解放のための戦いと追求を生じさせる。パレスチナ人民は,この神聖な目標の達成のための先兵の役割を演ずる。

15.アラブの視点から,パレスチナの解放は,国家的任務であり,アラブの郷土に対するシオニストと帝国主義者の侵略の排除に努力し,パレスチナのシオニストの根絶を目的とするものである。先兵としてのパレスチナのアラブ人民とともに,これに対する絶対的責務がアラブの政府と民衆にあるのである。それゆえ,アラブ諸国はパレスチナ解放におけるパレスチナ人民の活動に参加すべく,そのすべての軍事的,人的,道義的,精神的能力を動員しなければならない。特に武力パレスチナ革命の段階においては,パレスチナ人民に対してすべての可能な限りの助力,物質的人的サポートを提供し,彼らが郷土を開放するまで,武力革命における彼らの指導的役割を続けることができるような機会と方法も提供しなければならない。

16.精神的視点からパレスチナ解放は,人種,肌の色,言語,宗教の差別なく,国土の宗教的聖地の保護と同様に,すべての人に礼拝の自由が保証され,安全と静穏の中での聖なる地を提供するだろう。

17.人間の視点からパレスチナ解放は,パレスチナ人個々に彼の尊厳と誇りと自由を復帰させるだろう。ゆえにパレスチナのアラブ人は,世界中の人間の尊厳と自由を信じる人たちの協力を期待する。

18.国際的な視点からパレスチナ解放は,自己防衛の必要から必然的に生ずる防衛行動である。ゆえに,すべての民族との友情を求めるパレスチナ人民は,彼らのパレスチナに対する正統な権利とそこでの平和と安全の確立し主権と自由を行使するために,自由と平和を愛する諸国家に助けを求める。

19.1947年のパレスチナ分割とイスラエル国の樹立は,パレスチナ人民の意志,彼らの郷土に対する自然権,国連憲章,特に民族自決権に反し,時間の経過に関わらず,完全に違法である。

20.バルフォア宣言,パレスチナの委任統治とそれらに基づくすべてのことは,無効と考えられる。ユダヤ人とパレスチナの歴史的や宗教的結びつきの主張は,史実と国家としての地位を構成する概念と相容れない。宗教としてのユダヤ教は,ひとつの独立した国民性を持つものではない。またユダヤ人が自身のアイデンティティをもつひとつの民族を構成するものでもない。彼らは彼らがそれぞれ所属する国家の市民である。

21.武力パレスチナ革命によって自己表現するアラブのパレスチナ人は,パレスチナ全土の解放に代わるいかなる決議も拒否し,パレスチナ問題を国際管理下に置こうとしたり,清算してしまおうとするいかなる提案も拒否する。

22.シオニズムは世界のすべての進歩と解放活動に敵対し根本的に世界的帝国主義と関連のある政治活動である。それはその目的において人種差別者で本質的に狂信的で,攻撃的,膨張主義者,植民地主義的であり,その方法において,ファシストである。イスラエルはシオニスト運動の道具であり,アラブの解放と統一と進歩の希望と戦うために,アラブの中央に戦略的に設置された世界帝国主義の基地である。イスラエルは,中東と全世界の平和に直面する脅威の源である。パレスチナの解放がシオニストと帝国主義者の存在を打破したら,所属や信念に関わりなく,現在の解放闘争と同様に,パレスチナ人がすべての進歩的平和的効果への援助求めて行っている中東和平の樹立のためにパレスチナ人民のすべての協力が提供され貢献することになろう。

23.正義と公平の要求と同様に,安全と平和の要求は,保護された尊敬すべき郷土の市民としての忠誠と保護されるであろう民族の間の友好的関係のために,すべての国家に,シオニズムをその存在が非合法で違法な運動であると考えることとその計画を破棄させることを求める。

24.パレスチナ人民は,正義,自由,主権,民族自決,人間の尊厳と,それらを行使するすべての民族の権利を信じる。

25.この憲章とその原則の実現のため,PLOはこの機構の憲章に従いパレスチナ解放の役割を果たすであろう。

26.パレスチナ革命軍の代表であるPLOは,パレスチナ問題によってアラブ全体や全世界規模でのどんなことが求められようとも,郷土を解放して取り戻し,すべての軍事的政治的経済的面における民族自決の権利を行使するために,闘争におけるパレスチナのアラブ運動に対し責任を負う。

27.PLOはその度合いに応じてすべてのアラブ国家と協力するものとし,解放のための戦争における要求に鑑み,アラブ諸国と中立政策をとるだろう。この原則により,どのアラブ国家の国際問題にも干渉してはならない。

28.パレスチナのアラブ人は国家革命の真の独立を主張し,どんな形であれ介入や信託統治,服従を拒否する。

29.パレスチナ人民は,彼らの郷土を解放し復帰させる基本的で真の法的権利を所有する。パレスチナ人民は,パレスチナ人民の目的達成のためのパレスチナ革命に直面する基本についてすべての国家と軍隊に対する態度を決定する。

30.解放戦争での戦士と武器運搬人は,パレスチナのアラブ人に利するための援護力になるであろう大衆の軍隊の要である。

31.機構は旗と忠誠の誓いと歌を持つこととする。これらはすべて特別会議で決定されることとする。

32.PLO憲章として知られる規則は,この憲章に統合されるものとする。それは憲章による責務の要求とそれぞれの権限と機構が構成するべき方法によって記されることになる。

33.この憲章は改正のためら招集されたPLOの国民会議の特別議会によって,委員の3分の2以上の賛成がなければ改正されない。